春日部市の皆様、こんにちは!キックボクシングジム【The Thunder GYM】です。
先日、NHKのニュースで「ボクシング アマチュア選手がスパーリング後に意識不明 緊急開頭手術」という大変痛ましい報道がありました。ボクシングという競技の枠を超えて、格闘技に携わる者として、そして何よりも一人の人間として、深く心を痛めております。現在も厳しい状況にあると聞き、一刻も早い回復を心からお祈り申し上げます。
このニュースは、私たちキックボクシングジムの人間にとっても、決して他人事ではありません。キックボクシングもボクシングと同様に、頭部への衝撃が伴うスポーツであり、常に危険と隣り合わせであることを再認識させられました。
今回は、この痛ましい事故を教訓として、改めて【The Thunder GYM】が掲げる「安全第一」の理念と、皆様に安心してトレーニングに励んでいただくための具体的な安全管理、そして会員様一人ひとりに意識していただきたいことについて、当ジムの考えをお伝えしたいと思います。
スパーリングが持つリスクを正しく理解する
スパーリングは、技術の習得、実戦経験、そして何よりも自信をつける上で不可欠なトレーニングです。しかし、そこには常に「危険」が潜んでいることを忘れてはなりません。頭部への衝撃は、見た目には何でもないように見えても、脳に深刻なダメージを与える可能性があります。
- 脳震盪の危険性:一時的な意識の混濁、めまい、吐き気、記憶障害など、様々な症状を引き起こします。問題は、スパーリング直後にはっきりとした症状が出ない場合があることです。数時間後、あるいは翌日に症状が現れることも少なくありません。
- 脳への慢性的なダメージ:何度も頭部に衝撃を受けることで、脳に不可逆的な損傷が蓄積されるリスクがあります。これは「慢性外傷性脳症(CTE)」と呼ばれ、記憶力や思考力の低下、パーソナリティの変化などを引き起こすことが知られています。
当ジムでは、会員の皆様の「強くなりたい」という気持ちを全力で応援しますが、それ以上に、皆様の健康と安全を何よりも優先します。私たちが目指すのは、生涯にわたってキックボクシングを楽しんでいただける環境づくりです。
The Thunder GYMの「命を守る」ための安全対策
報道されたような事故を未然に防ぐため、The Thunder GYMでは、ハード面・ソフト面の両方から徹底した安全管理を行っています。
【ハード面】
- 安全性の高い用具の徹底:スパーリングには、頭部への衝撃を最小限に抑えるため、厚手のパッドが入った高品質なヘッドギアを着用することを推奨しています。また、グローブも衝撃吸収性に優れたものを使用します。さらに、マウスピースは絶対に欠かすことのできない必須用具です。
- トレーニング環境の整備:万が一の転倒に備え、リングやトレーニングスペースには適切な厚さのマットを敷き詰めています。また、適切な換気と、いつでも水分補給ができる環境を整えています。
【ソフト面】
私たちは、単に道具を揃えるだけでなく、指導者と会員様一人ひとりの「意識」を何よりも大切にしています。
- 徹底した段階的指導
- 初心者・未経験者の単独でのスパーリング禁止:当ジムでは、入会したばかりの方やキックボクシング未経験の方には、まず基本のフォームを身につけていただくことから始めます。スパーリングは、十分な体力と技術、そして相手への配慮が身についてから、トレーナー立ち合いのもとクラス内で行うことができます。
- マススパーリングの徹底:「マススパーリング」とは、お互いに力をセーブし、相手を倒すことを目的としない、技術練習のためのスパーリングです。力を込めて打ち合う「ガチスパーリング」は、限られた上級者のみ、トレーナーの厳密な監視下でのみ行います。
- 「寸止め」と「コントロール」の意識付け
- スパーリングでは、「当てる」ことではなく、「コントロールすること」を常に意識するよう指導しています。力任せに打ち合うのではなく、相手の防御を崩すためのフェイントや、適切な距離感を保つことなど、技術的な要素に集中していただきます。
- 相手へのリスペクトを忘れないこと。スパーリングは「戦い」ではなく、お互いの技術を高め合う「共同作業」であることを、繰り返し伝えています。
- トレーナーの絶対的監視
- スパーリング中、トレーナーは目を離しません。参加者の表情、動き、疲労度などを常にチェックし、少しでも危険な兆候があれば、すぐにスパーリングを中断させます。
- 会員様一人ひとりに合わせたマッチングを行います。体力や技術レベルが著しく異なる組み合わせは行いません。
- 会員様ご自身に意識していただきたいこと
- 体調の自己申告:スパーリング前には、必ずトレーナーが体調の確認を行います。少しでも体調が優れない場合(睡眠不足、疲労、風邪など)は、無理をせず見学に回る勇気を持ってください。
- 不調の訴え:スパーリング中に頭痛、めまい、吐き気などの違和感を少しでも感じたら、すぐにトレーナーに知らせてください。これは恥ずかしいことではありません。むしろ、自分自身の命を守る上で最も重要な行動です。
- 仲間の状態を気に掛ける:相手の動きが鈍くなったり、顔色が悪かったりなど、異変を感じたら、すぐにスパーリングを止めてトレーナーに知らせるようにしてください。
事故後のケアと知識の共有
万が一、頭部に強い衝撃を受けた場合は、その後のケアが極めて重要です。スパーリング直後に症状がなくても、油断は禁物です。
- すぐに冷やす:衝撃を受けた部位をすぐに冷やし、炎症を抑えます。
- 安静を保つ:その後は激しい運動を避け、安静に過ごしてください。
- 遅発性症状への注意:スパーリング後、数時間から数日経ってから、頭痛、吐き気、めまい、集中力の低下、記憶障害などの症状が現れることがあります。これらの症状が一つでも見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。必ず信頼できる方と一緒に病院へ行き、状況を説明できるようにしておきましょう。
私たちは、これらの知識を会員様と共有し、万が一に備えるための体制を常に整えています。
最後に:安全なくして強さは語れない
今回の報道は、私たちに「格闘技の危険性」を改めて突きつけました。しかし、それは「格闘技は危険だからやめるべき」という結論に繋がるものではありません。むしろ、「危険性を正しく認識し、徹底した安全管理のもとで行うべき」という強いメッセージだと捉えています。
【The Thunder GYM】は、これからも皆様が安心してトレーニングに集中できる環境を提供し続けます。スパーリングは、力や技術を競い合うだけでなく、お互いを尊重し、支え合う心も育むものです。
「強くなりたい」「上手くなりたい」という皆様の熱意を、私たちは「安全」という土台の上で全力でサポートします。命を守るキックボクシングを、一緒に続けていきましょう。
このブログを読んで、キックボクシングに興味を持った方、または現在の環境に不安を感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度当ジムへお越しください。安全第一の指導方針を、ぜひ肌で感じていただければ幸いです。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。